
中高生の矯正
中高生の矯正
中高生矯正(思春期の矯正歯科治療)は、永久歯がほぼ生え揃い、顎の骨が急激に成長する12〜18歳頃に行う本格的な歯列矯正です。この時期は、身長と同様に顎の骨にも成長力が残っているため、その力を部分的に利用しながら、歯を理想的な位置へと移動させることができます。小学生時代に行う「土台作り」の治療を終えた後の“仕上げ”として、永久歯列を整える重要なステージです。
当院では、以下の2つを矯正治療のゴールとしています。
噛む・話す・呼吸するなどの基本的な口腔機能を高めると同時に、自信を持って笑える自然なフェイスラインの実現を目指します。
治療には、以下のような装置を用います。患者さん一人ひとりの症例の難易度、学校生活や部活動、受験スケジュールなどを考慮し、「目立ちにくさ」「通院頻度」「痛みの少なさ」といったご希望に沿った治療法をご提案いたします。
当院では、装置の選択だけでなく、治療の開始時期や保定のタイミングも含めて、部活や学校行事、通院スケジュールに無理のない計画を立てています。文化祭や修学旅行、受験など、思春期ならではの多忙な時期にも柔軟に対応可能です。
種類 | 概要 | 生活への影響例 |
---|---|---|
上顎前突(出っ歯) | 上の歯や上顎が前方に突出 | 唇が閉じにくい/ 外傷リスク |
下顎前突(受け口) | 下顎の過成長により、 咬み合わせが逆になる |
発音障害/咀嚼不良/ 顎関節への負担 |
叢生(乱ぐい歯・八重歯) | 歯並びが凸凹で 重なり合っている |
歯磨きが難しくむし歯や 歯肉炎のリスク増加 |
開咬 | 前歯が噛み合わず 上下に隙間ができる |
発音障害/ 前歯で物が噛み切れない |
過蓋咬合 | 上の前歯が下の前歯に 深くかぶさる |
顎関節痛/ 歯の摩耗 |
交叉咬合 | 一部の歯が左右逆に 噛み合っている |
顎の非対称/ 顎関節症 |
※吹奏楽器やコンタクトスポーツなど、趣味・部活に応じた治療対応も可能です。筆者は中学高校と吹奏楽部出身です。楽器への影響もご相談ください。
装置 | 特徴 | 適応・備考 |
---|---|---|
メタル/ セラミックブラケット |
高い耐久性と 確実な歯の移動が可能 |
幅広い症例に対応 |
クリアブラケット | 審美性に優れ、 学校行事や校則にも配慮 |
写真撮影などにも安心 |
舌側(裏側)矯正 | 表から見えず、 見た目に配慮 |
発音や清掃に 一定の慣れが必要 |
マウスピース型矯正 | 取り外し可能で 清掃しやすい |
軽〜中等度の症例、 装着時間の管理が必要 |
ヘッドギア等(顎外固定装置) | 骨格成長の促進・ 抑制に用いる |
成長曲線を踏まえた使用が必要 |
ミニスクリュー(TAD) | 歯の移動方向に 制限が少ない |
非抜歯矯正や 難症例の補助に活用 |
※装置は「症例の難易度」「通院頻度」「審美性」「ライフスタイル」の4軸からご提案いたします。
精密検査・診断
レントゲン、CT撮影、光学スキャン、顔貌写真などをもとに診断します。
治療計画のご説明
装置の種類、治療期間、費用、学校生活への影響を丁寧にご説明します。
装置装着と通院
月1回程度の通院で調整を行い、顎間ゴムやパワーチェーンなどを併用します。
保定(リテーナー)期間
矯正後はリテーナーで歯並びを安定化。おおむね2〜3年を目安とします。
定期メンテナンス
むし歯や歯周病のチェック、ホワイトニングのご相談も承ります。
はい、演奏に支障の少ない装置をご提案します。希望があれば、マウスピース型や舌側矯正も検討可能です。演奏上の違和感は練習で徐々に慣れていくケースが多いです。ちなみに当院院長も中高生時代に吹奏楽部に所属し、クラリネットを吹いていました。
通院回数を抑えた調整計画や、受験終了後に集中して進める「フェーズ分け」も可能です。ご家庭と連携し、無理のないスケジュールを提案いたします。
すぐにご連絡ください。装置を再作成する必要がありますが、迅速に対応いたします。予備のマウスピースをお渡しする場合もあります。
基本的には矯正終了後がおすすめですが、装置の種類によっては部分的なホワイトニングが可能なケースもあります。ご相談ください。
永久歯がほぼ生えそろい、顎の成長がまだ続いている中学1~2年生の時期が理想的です。ただし、歯並びの状態や成長の個人差により最適なタイミングは異なりますので、まずは早めのご相談をおすすめします。
治療の進捗データを記録してお渡しし、転居先の矯正歯科との連携もサポートいたします。必要に応じて紹介状も作成可能ですので、安心してご相談ください。
装置の種類や治療の難易度によって異なりますが、当院では治療開始前に明確なお見積りをご提示しています。分割払いや医療費控除のご案内も行っています。
すべてのケースで必要なわけではありません。顎の成長を利用することで、抜歯を回避できる可能性もあります。CTやセファロ分析をもとに、最適な治療方針をご提案します。
中高生の矯正治療は、「成長期最後のチャンス」を活かして、歯並びと骨格をバランスよく整える大切な時期です。整った口元は、将来の健康や自信にもつながります。
「歯並びが気になる」「写真写りが気になる」など、どんな小さなことでもお気軽にご相談ください。
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